もう結構前になりますが、えいごのいずみ の方で(私のやってる英語教室です)大人の読書会をやってたことがありました。
その第1作が、Life of Pi でした。当時、映画が評判になっていたのです。(私は未だに観てません……。)
日本語の本はこちら。絶版?
動物園を経営して居る家族が、動物を連れてインドからカナダへ渡ろうとする途中に船が難破し、17歳の男の子が、トラとボートで太平洋を漂流し、生き残る話です。最終的には、何が本当だったのか、蜃気楼のような謎を残して物語が終わります。
この本は3部に分かれていて、漂流は第2部です。
で、第1部が実は長い。
パイは、インドに住んでいて、お家はヒンズー教ですが、周りにキリスト教もあり、イスラム教にも触れる機会がある。小さな彼は、そのいずれもに、それぞれの魅力を感じ、惹かれ、教会にも、ヒンズー教のお寺にも、イスラムの寺院にも顔を出して、祈ります。第1部では、このことが、丁寧に書かれます。そして、長い(笑)
後に、それぞれの司祭たちにそれがバレてしまい、3つの宗教の司祭たちが、パイとパイの親にワアワア言うのですが、
「どうしてどれかに決めなくちゃいけないんだろう?どれもいいのに?」と、パイは、理解できません。
彼は、そう言う宗教観を持って、難破し、いつトラに食べられるのかわからない状況で、太平洋を漂流するのです。
実は、その複合的な世界観こそが、極限の精神状態の中で彼を支える、と、読者は、理解しながらこの物語を読み進めます。
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シュタイナー教育の話をしようとするとき
「オカルトだよね?」
「特定の宗教観を持ち込まれては困る」
などの警戒の声を聞くことがあります。オウム以降、ほんと、このアレルギーは、すごいし、わかります。
私個人は、どの宗教かと言われると、たった今、バタッと死んだら、多分、この家が仏教なので、お寺の世話になりますが、
神道も、仏教も、キリスト教もいいんじゃない、と、思ってます。イスラム教とかヒンズー教、ユダヤ教、その他の宗教については、あまり良く知りません。
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シュタイナーは、今から百年前くらいにオーストリアで生まれた、フツーの人が見えない世界が見えちゃう人だったらしいのですが、それをドイツ語に言語化して、人に伝えることに多大な努力した人です。その内容が、社会、医療、農業、教育など、多岐に渡ります。
シュタイナーの世界観は、輪廻転生を採用しています。そして、西洋由来なので、見えない世界を言うときに、「天使」など、キリスト教の語彙を多数採用しています。
なので、私もシュタイナーの話をするときは、キリスト教的な語彙を使うことは、多くなります。でも全然、キリストに帰依は、しておりませぬ。
その世界観を元にした教育方法があって、例えば、自分の教室の英語教育や、じぶんの子を育てるときに試しに採用してみたら、
自分としては、しっくり来て、わりとうまく行って、困ったときは、その世界観を元に対処すると解決の糸口になることが多かった、のです。
シュタイナーも「自分の後を拝みながらついてくるな」って言ってるそうですし、
私も「えー、何それ、細かすぎない、そこ」とか、
「そんなにちゃんとできないし」とか、
「無理です」って、思ったりしながら、
あまり真面目じゃなく、ざっくり自分の生活に取り入れてきてるので、
一つの世界観として、それを採用したければすればいいし、
「うーん、ちょっとな」と思うなら、やめておけばいいのです。
でも、
「なにそれ、宗教?」とかで、なにも聞かずに片付けちゃうには、ちょっと惜しい気がします。
世界観は、どれを採用してもいいと思うんですよねー。
天国と地獄があってよし。
極楽浄土があってよし。
Life of Piに書いてありましたが、ヒンズーの神様は口を開けるとそこに宇宙が広がっているらしいです。すごいです。
それを読んだ参加者の方は、「キリスト、これに比べるとShabby(しょぼい)」って言ってました。ウケましたね。
まあ、神じゃなくて、神の子だからね、キリスト。
輪廻転生のことに馴染みがあったおかげで、占星術も無理なく理解できましたし。
なんかまとまらないですが、きょうはこんな感じで(^^)